パンの日

 パンの記念日の由来についてご紹介いたします。

 毎月12日は「パンの日」であるのをご存知ですか?

 パン食普及協議会が1983(昭和58)年に制定したのですが、そのルーツは江戸時代にさかのぼります。
ときは幕末、日本近海に黒船が出没し、世の中は物情騒然としていました。中国ではアヘン戦争が起こり、日本はいつも外国の軍艦に攻められるかわからないという不安な時代でした。幕府は緊急防衛策を講じるよう命を出しましたが、それを受けたのが伊豆韮山代官の江川太郎左衛門でした。
 洋式砲術の大家である高島秋帆の門下であり、また兵法家でもあった江川太郎左衛門は、本土防衛戦になったら握り飯方式の弁当では戦えないと考えていました。敵前で火を起こし、飯など炊いていたら、敵に居場所が分かってしまい、そこをめがけて攻められたら味方の大損害は避けられないからです。この問題を解決するため、江川太郎左衛門はパンに着目しました。パンなら敵前で火を起こす必要はありません。さらにパンは消化がよく、保存性、携帯性にも優れていました。
 幸い、江戸の高島秋帆の従者をしていた作太郎という長崎のオランダ屋敷の料理方として製パン技術を身につけた人がいました。伊豆に急行した作太郎の協力のもと、韮山の江川邸にパン焼き窯が構築されます。そして初めてパンが焼かれたのが、1842(天保13)年の4月12日だったのです。この時作られたのは、乾パンスタイルの日持ちの良い「兵糧パン」だといわれています。江川作太郎左衛門の兵糧パンの成功に刺激を受けた各藩は、競ってパンを焼き、貯蔵して外国の攻撃に備えるようになりました。
このように、日本で初めて本格的にパンが製造されたのが4月12日であったことから、この日を記念して4月12日を「パンの記念日」、毎月12日を「パンの日」としているのです。